第2版用:書籍情報

作りながら学ぶ Ruby入門 第2版

久保秋 真 著

単行本: 496ページ
出版社: ソフトバンククリエイティブ; 第2版 (2012/11/26)
ISBN-10: 4797371277
ISBN-13: 978-4797371277
発売日: 2012/11/26

プログラミングの基礎からWebアプリの開発まで。作って、動かしながら、生きた知識が身につく。Windows/Mac OS X対応。

第2版用:内容の紹介

本書はどんな本か?

プログラミングを体験的に学ぶには、作りたいものを決めて、自分ができる方法で作ってみることが大切です。多少ぶかっこうでもかまわないのです。そして少し学んだら改良したり、次を作ってみたりするわけです。これを繰り返していけば、だんだんいろいろなプログラムを作ることができるようになってきます。逆に、先に大きく複雑なものを作ろうと決めても、そのためにあれもこれも知らなくてはだめとなれば、すぐに作り始めることができないし、学ぶのも億劫になるでしょう。

本書では、最初に作りたいプログラムを決めます。小さな蔵書管理アプリケーションです。最初ですからほんの少しの文法とライブラリだけを使ってプログラミングします。これで最初のアプリケーションができあがります。できあがったら、もうちょっと違うことができるようにしようと決めます。たとえばハッシュやファイルにデータを格納してみることだったりします。少しだけハッシュやファイルを使う方法を練習したら、これらを使って最初のプログラムを改良します。このようにして小さく学んでは作ってみることを進めながら、徐々に新しいライブラリを使ったり、機能を増やしたりしていくわけです。そして最終的には、最初のプログラムを発展させてデータベースやWebに対応させることを目標にします。

プログラミングについて学ぶきっかけがつかめない方は、ぜひ本書を試してみてください。プログラミングのためには先にたくさんの文法を学ばなければならないと思いがちですが、そうではない学び方もあることにきっと気づいていただけるでしょう。

本書の概略

各部の概略

第1部 プログラミングについて学ぶのとプログラムの文法を学ぶのは、同じではないことを確認します。
また、Rubyをインストールして演習の準備をします。
Windowsを使っている人と、Macを使っている人向けにそれぞれの準備方法を用意しました。

第2部 Rubyを使ってプログラムを作り始めます。
最初に目標とするアプリケーションを決めます。
最初の段階なので、目標のアプリケーションの一部についてプログラムを作成します。
Rubyの文法についてはそのために必要な分だけ説明しています。

第3部 機能は限定的ですが目標のアプリケーションの最初の版を作ります。
第2部で作成したアプリケーションを見直して、扱うデータや処理をひとまとめにして操作する方法としてクラスを使ってみます。
アプリケーションの処理をクラスの操作として実現することもやってみます。

第4部 最初の版を改良して、アプリケーションを終了してもデータを保持できるようにします。
アプリケーションのデータを保存するファイルというものについて少し学んでから、Rubyからの操作方法を練習します。
それからCSVファイルや、Rubyに付属するPStoreという簡易データベースを使ってアプリケーションを改良します。

第5部 データの追加、削除、修正、検索が容易にできるデータベースというものを使ってみます。
アプリケーションのデータをデータベースに格納できるようにして、データベースを使うようにアプリケーションを改良します。
まず、データベースやSQLの基礎的なことがらを学んでから、Rubyからデータベースを利用する方法を練習します。
それからデータベースを使うようにアプリケーションを改良します。

第6部 アプリケーションのデータをWebページに表示できるようにするために、Webアプリケーションを作成します。
まず、Webの仕組みについて理解してから、Webページを作ってWebサーバーに配置し、Webブラウザからアクセスします。
それができたら、プログラムによってWebページを作成する方法としてテンプレートエンジンというものを使います。
ブラウザからの操作によって呼び出されたプログラムがWebページを生成するところまでやってみます。

第7部 目標としたアプリケーションの最終版を作ります。
Webブラウザを使ってアプリケーションが操作できるよう、Webアプリケーションの仕組みを使って実現します。
先にアプリケーションの処理と画面の操作との関係を整理します。
その後、個々の画面のデザイン、各画面の処理を段階的に作成します。
画面はテンプレートエンジンを使ってプログラムに作成させるようにし、
アプリケーションのデータを保持するにはデータベースを利用します。
すべての機能について画面と処理を作成すれば、実際にWebブラウザを使って操作できるアプリケーションが完成します。

第2版用:目次

1 導入編 ~プログラムを書いてみよう~

第1章 プログラムを作ることができるようになるには
第2章 Rubyの概要
第3章 Rubyをインストールする前に
第4章 Rubyの利用環境を準備しよう(Windows編)
第5章 Rubyの利用環境を準備しよう(Mac OS X編

2 入門編~文法を確認しながら動くアプリを作ろう~

第6章 蔵書管理アプリケーションをテキスト処理で作ろう
第7章 文字列や数値を表示してみよう
第8章 蔵書データを表示してみよう

3 実践編 ~データと処理とでクラスにしよう~

第9章 クラスを使って複数のデータをまとめよう
第10章 蔵書データをクラスにしよう
第11章 コレクションを使ってデータの集まりを操作しよう
第12章 蔵書データの集まりをコレクションにしよう
第13章 アプリケーションをクラスで構成しよう
第14章 蔵書管理アプリケーションもクラスで構成しよう
第15章 クラスを使った蔵書管理アプリケーションのまとめ

4 発展編 ~データをファイルに保存しよう~

第16章 蔵書管理アプリケーションのデータを保存しよう
第17章 ファイルにデータを保存してみよう
第18章 蔵書データをCSVファイルに保存しよう
第19章 蔵書データをPStoreに保存しよう
第20章 ファイルを使った蔵書管理アプリケーションのまとめ

5 応用編 ~データベースを利用しよう~

第21章 Rubyでデータベースを利用しよう
第22章 蔵書管理ソフトをデータベースで作ろう
第23章 データベースを使った蔵書管理ソフトのまとめ

6 応用編2 ~Webアプリケーションにチャレンジしよう~

第24章 Webアプリケーションの構成
第25章 Webサーバーを使ってみよう
第26章 Webアプリケーションを作ってみよう
第27章 Webアプリケーション作成のまとめ

7 応用編3 ~蔵書管理アプリをWebアプリケーションにしよう~

第28章 アプリケーションの構成とデザインを整理しよう
第29章 各画面のプログラムを作成しよう
第30章 Webを使った蔵書管理アプリケーションのまとめ
第31章 この本で学んだ後は……

リファレンス編

A1 Ruby言語について
A2 参考資料

索引